男性性器結核(読み)だんせいせいきけっかく

家庭医学館 「男性性器結核」の解説

だんせいせいきけっかく【男性性器結核】

 尿路結核(にょうろけっかく)は、ふつうの細菌感染とはちがって、通常はまず腎臓(じんぞう)に結核菌病巣がつくられ、その結核菌が尿管、膀胱ぼうこう)へと広がっていきます。
 男性性器結核は、血行性の場合もあるといわれていますが、通常は尿路結核にともない、結核菌は尿道から管内性に、前立腺(ぜんりつせん)、精嚢腺(せいのうせん)、精管(せいかん)、副睾丸(ふくこうがん)(精巣上体(せいそうじょうたい))、睾丸精巣)に入り、病巣をつくります。
 日本の高度成長期には、このような尿路・性器結核患者が多く、東大病院の泌尿器科(ひにょうきか)外来ではこれらの患者専用に一部屋をあてていたほどです。代表的な性器結核である結核性精巣上体炎は、陰嚢(いんのう)の中にしこりとして触れるものですが、当時はかなり多くの手術が外来で行なわれていました。
 しかし最近は、このような光景はほとんどみられません。時代とともに、疾患構造が大きく変わっていった1つの典型でしょう。

出典 小学館家庭医学館について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android