畢んぬ(読み)オワンヌ

デジタル大辞泉 「畢んぬ」の意味・読み・例文・類語

おわん◦ぬ〔をはんぬ〕【×畢んぬ】

[連語]《動詞「おわる」の連用形に完了の助動詞「ぬ」の付いた「おわりぬ」の音変化》終わった。…してしまった。
「すでに四百余回の年月をおくり―◦ぬ」〈曽我・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「畢んぬ」の意味・読み・例文・類語

おわん‐ぬをはん‥【畢ぬ・了ぬ・訖ぬ】

  1. 〘 連語 〙 ( 動詞「おわる(終)」に完了の助動詞「ぬ」の付いた「おわりぬ」の変化したもの )
  2. 終わった。
    1. [初出の実例]「今則ち奉覲(まみへまつ)ること已(すて)に訖(ヲハンヌ)」(出典日本書紀(720)神代上(寛文版訓))
  3. 動詞の連用形に付いて、その動作が完了したことを表わす。…してしまった。
    1. [初出の実例]「遂奉流刑(ヲハンヌ)」(出典:太平記(14C後)一四)
  4. 近世和歌連歌俳諧などの文法用語で、完了の「ぬ」。打消の「ず」の連体形「ぬ」を「不(ふ)のぬ」というのに対していう。
    1. [初出の実例]「あけぬ此よ あけたる也 をはんぬ也」(出典:匠材集(1597)三)

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