畳鰯(読み)たたみいわし

精選版 日本国語大辞典 「畳鰯」の意味・読み・例文・類語

たたみ‐いわし【畳鰯】

  1. 〘 名詞 〙 カタクチイワシ稚魚を生のまま、海苔をすくようにして葭簀(よしず)の上に並べて天日で乾し、一枚網状にした食品。〔俳諧・毛吹草(1638)〕
    1. [初出の実例]「この吸物はなんだ。たたみ鰯(イワシ)のせんば煮か」(出典滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)三)

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百科事典マイペディア 「畳鰯」の意味・わかりやすい解説

畳鰯【たたみいわし】

主として,カタクチイワシの稚魚を生のまま薄く平らにして枠(わく)型に入れ,板状に伸ばし天日で干した製品。かるくあぶって食べる。

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世界大百科事典(旧版)内の畳鰯の言及

【イワシ(鰯∥鰮)】より

…現在,加工品としては,マイワシとウルメイワシが目刺し,丸干し,みりん干しなどの干物やオイルサーディンの缶詰にされる。〈ひしこ〉とか〈しこいわし〉とも呼ばれるカタクチイワシはごまめや煮干しのほか,稚魚は白子(しらす)干しやたたみイワシにされる。また,大羽イワシは秋田名物しょっつるの原料ともされる。…

【しらす(白子)】より

…カタクチイワシ,マイワシ,ウルメイワシ,イカナゴその他多くの種類の稚魚で,体が無色透明なものの総称。それらをそのまま,あるいは塩水で煮て干したものをしらす干しという。《料理網目調味抄》(1730)に〈ちりめん〉,《新撰献立部類集》(1776)に〈縮緬(ちりめん)ざこ〉と見えるのがそれで,関西では現在も〈ちりめんじゃこ〉などと呼ぶ。おろしあえ,酢の物などにするほか,サンショウの実とつくだ煮ふうに煮込むのもよい。…

※「畳鰯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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