畳屋(読み)たたみや

精選版 日本国語大辞典 「畳屋」の意味・読み・例文・類語

たたみ‐や【畳屋】

〘名〙 畳の製作または販売をする店。また、その人。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※雑俳・柳多留‐八(1773)「畳屋をはしたに遣ふ神無月」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「畳屋」の意味・わかりやすい解説

畳屋
たたみや

畳をつくる職人の店。部屋が板間にかわって畳敷きとなった14世紀、畳をつくり、それを部屋に敷く職人の畳刺(差)が生まれた。17世紀以後は畳師とか畳屋ともいわれた。居職(いじょく)を主とするが出職(でしょく)のこともあった。畳替えもするようになった。藁(わら)の床(とこ)をつくり、藺草(いぐさ)の表(おもて)を床の上にかぶせて、長いほうの縁(へり)を麻糸で縫い付けることがおもな仕事で、畳替えは表を取り替えることである。工具は縫い針と待ち針と畳屋包丁がおもなものである。19世紀後半から、住宅の洋風化と新しい敷物の出現によって、その仕事はしだいに減ってきた。現代は、新しい機械床・機械縫いが現れ、手縫いはほとんどなくなった。

遠藤元男


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