発光信号(読み)はっこうしんごう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「発光信号」の意味・わかりやすい解説

発光信号
はっこうしんごう

信号による通信法の一つ。光を点滅させる方法で、視界内の離れた場所の間で意志伝達を図る手段として用いられる。和文の通信に適した日本船舶信号法と、世界に共通な国際信号法とに分けられるが、双方とも信号要素は長符と短符、すなわち点灯の時間的な長短によって示す符号の組合せである文字符、数字符、記号符および交信区別符からなる。これらの符号にはモールス式符号が用いられる。たとえば、Aは・―であり、Bは―・・・である。相手を呼ぶときは指呼(しこ)符号としてAA、AAを連送する。これに応ずる側は、応信符号としてTTTT〃〃〃(――――〃〃〃)で応答する。これによって、送信側から通信文を送信し、終わりに終信符としてAR(・―・―・)を送り、受信側はR符(・―・)をもって応答、信号を終わる。

 発光信号は傍受防止や簡易の点などに特徴があり、無線の普及した現在でも一部で用いられている。

[茂在寅男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「発光信号」の意味・わかりやすい解説

発光信号
はっこうしんごう
flash signal

光線を利用した信号のこと。無方向性または方向性の光源を点滅させて通信を送る信号で,主としてモールス符号による。昼間艦隊全般への信号は無方向性大光力 (2kW程度) 信号灯により 20km,探照灯式により視界限度付近まで通信可能。夜間警戒航行中は微光力方向性信号により編隊内通信が可能。陸上では地形に左右されるが,見通しのよいところで光の到達距離は反射鏡の直径 10cmで昼間 4km,20cmで 10km,夜間はその約3倍ぐらいである。

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