白き山(読み)シロキヤマ

デジタル大辞泉 「白き山」の意味・読み・例文・類語

しろきやま【白き山】

斎藤茂吉の第16歌集。昭和24年(1949)刊。昭和21年(1946)から昭和22年(1947)暮れまで、山形県大石田町に滞在していた期間作品中心

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白き山」の意味・わかりやすい解説

白き山
しろきやま

斎藤茂吉の第16歌集。1949年(昭和24)8月岩波書店刊。茂吉は第二次世界大戦末期、郷里山形県金瓶(かなかめ)(現上山(かみのやま)市)に疎開し、46年1月大石田町に移って47年11月までそこにとどまった。その大石田時代の作824首(第2刷および全集では850首)を収める。心に敗戦痛手を負い、身に肋膜(ろくまく)炎の重患を患った茂吉が、その心と身を郷国の風土に置いての詠唱で、沈痛にして澄明、ことに最上(もがみ)川の詠に秀歌が多い。「最上川逆白波(さかしらなみ)のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも」。晩年の代表歌集であり、茂吉の全歌集中の最高峰とされる。

上田三四二

『佐藤佐太郎著『茂吉秀歌 下』(岩波新書)』『上田三四二著「「白き山」の茂吉」(『日本文学研究資料叢書 近代短歌』所収・1973・有精堂出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android