白洲梯子(読み)シラスバシゴ

デジタル大辞泉 「白洲梯子」の意味・読み・例文・類語

しらす‐ばしご【白××梯子】

能舞台で、正面にある三段階段江戸時代、当日の奉行役者開演を命じたり、見物大名から役者に褒美を渡したりするときなどに用いた。きざはし。

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精選版 日本国語大辞典 「白洲梯子」の意味・読み・例文・類語

しらす‐ばしご【白州梯子・白洲階子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 縁先などの小石を敷きつめた所から縁側にかけられた低い梯子
    1. [初出の実例]「本舞台、三間の間、高足の二重、縁側つき、白洲階子(シラスバシゴ)をかけ」(出典歌舞伎・𢅻雑石尊贐(1823)大切)
  3. 能舞台正面に設けられた三段の梯子。能が徳川幕府の式楽として奉仕していたころ、当日の奉行が舞台に上がって、揚幕に向かって開始を告げたり、時服を役者に与えたりする時の昇降に用いた。現在ではその名残として残されている。

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世界大百科事典(旧版)内の白洲梯子の言及

【能舞台】より

…後見や地謡は切戸口から出入りし,また舞台で殺された役や仕事のすんだ役が目立たぬように退場するのにも切戸口を用いる。地謡座の奥にある貴人口(きにんぐち)と正面の白洲梯子(しらすばしご)は現在の演能では使用しない。揚幕の奥は鏡の間と呼ぶ板の間で,大きな鏡が据えてある。…

※「白洲梯子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」