改訂新版 世界大百科事典 「白樸」の意味・わかりやすい解説
白樸 (はくぼく)
Bái Pǔ
生没年:1226-?
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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中国、元(げん)代の戯曲作家。字(あざな)は仁甫(じんぽ)。河北真定(現在の正定)に住み、父は金(きん)の枢密院判官を務めた。7歳のときモンゴル軍の侵入にあい、戦乱のなかで母を亡くしたが、詩人元好問(げんこうもん)に救われて、以後その養育のもとに成長した。世祖フビライのときに推挙されたが出仕せず、詩酒を友に一生を送った。のちに金陵(きんりょう)(江蘇(こうそ)省南京(ナンキン))に移り住んだが、晩年はまた北に戻っている。雑劇(ざつげき)、散曲(さんきょく)の作家として有名で、元曲四大家の1人に数えられる。16種知られる雑劇作品のうち、恋愛劇の秀作『牆頭馬上(しょうとうばじょう)』と、玄宗・楊貴妃(ようきひ)の悲恋を取り上げた『梧桐雨(ごとうう)』が代表作である。散曲作品のほかに詞集『天籟集(てんらいしゅう)』を残している。
[傳田 章]
「白仁甫」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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