相中(読み)アイナカ

デジタル大辞泉 「相中」の意味・読み・例文・類語

あい‐なか〔あひ‐〕【相中/相仲】

物と物との間。中間
「いつ迄人と馬の―に寝ていたかわれは知らぬ」〈漱石草枕
気の合っている仲。
お父様お母様と己との―をつつき」〈円朝怪談牡丹灯籠

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精選版 日本国語大辞典 「相中」の意味・読み・例文・類語

あい‐なかあひ‥【相中・相仲】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中間。途中
    1. [初出の実例]「人に死して、まだ牛にも馬にも生れ変らない途中はこんなであらう。いつ迄人と馬の相中に寝てゐたかわれは知らぬ」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉三)
  3. 気の合っている間柄。親しい間柄。親交。〔和英語林集成再版)(1872)〕
    1. [初出の実例]「其お国は〈略〉、夫婦の相中(アイナカ)を突(つっ)ついて仕様がないから」(出典怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉二〇)

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世界大百科事典(旧版)内の相中の言及

【楽屋】より

…3階はすべて立役の部屋で,いちばんつきあたりに座頭部屋があり,序列によって立役の部屋がつづき,広い空間をもつ大部屋があった。この大部屋は,名題下,相中(あいちゆう)と呼ばれる下座俳優が席次にしたがって雑居し,中央に囲炉裏があった。顔寄せから初日までの間,舞台稽古を除いて,本読み,付立,総ざらいなど稽古を行う場所としても利用された。…

【歌舞伎】より

…金属製の〈雷車〉を用いることもある。【景山 正隆】
【役者に関する用語】
相中(あいちゆう)江戸時代から明治にかけての役者の階級の一つ。〈間中〉とも書いた。…

※「相中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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