相浦(読み)あいのうら

日本歴史地名大系 「相浦」の解説

相浦
あいのうら

中世よりみえる松浦まつら郡内の浦。古くは相神浦と記してアイノウラとよび、またアイコノウラ、アイコウノウラ、アイカミウラとも称した。寛元二年(一二四四)四月二三日の関東裁許状(山代文書)に肥前国御家人の一人として「相神浦三郎家忠」がみえ、当地を拠点とする者と推定される。山代固後家尼と益田通弘の相論に際して寛元元年に相論の証言を求められて連署起請文を提出している。弘安九年(一二八六)閏一二月二八日の蒙古合戦并岩門合戦勲功地配分注文(比志島文書)では相神兵衛六郎家弘が岩門合戦の恩賞として筑前国那珂東なかとう(現福岡県那珂川町)内の地を配分されているが、鎌倉期の相神浦氏は家を一族の通字としていたらしい。また二字名であることから松浦党とは別の氏族であったと考えられるが、南北朝期に松浦一族を称し、一字名を採るようになっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の相浦の言及

【佐世保[市]】より

…これによって,佐世保市を訪れる観光客は急増し,長崎市の客数を上まわるほどである。市西部の相浦(あいのうら)はかつての石炭積出港で,現在は九州電力の火力発電所(最大出力87.5万kW)や県立国際経済大学がある。東部の三川内(みかわち)には,唐子(からこ)の絵柄で知られる三川内焼の窯元が集まる。…

※「相浦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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