真壺(読み)マツボ

デジタル大辞泉 「真壺」の意味・読み・例文・類語

ま‐つぼ【真×壺】

葉茶壺一種ルソン壺うち、肩や胴に銘のないもの。

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精選版 日本国語大辞典 「真壺」の意味・読み・例文・類語

ま‐つぼ【真壺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 抹茶に使用する葉茶をたくわえる茶壺舶来のもの。ルソン製といわれてきたが、現在では南中国製と推測されている。
    1. [初出の実例]「まつぼのうちにとりこもり、〈略〉極上別義の御ちゃをも色をもさらにわきまへず」(出典:御伽草子・酒茶論(古典文庫所収)(室町末))
  3. ( 「まつほ」とも ) まんなか。正中。〔和訓栞(1777‐1862)〕

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世界大百科事典(旧版)内の真壺の言及

【茶壺】より

…茶壺の中でもフィリピン渡来で〈呂宋(ルソン)壺〉と呼ばれるものが珍重されてきたが,フィリピンの焼物とするのは誤りである。14世紀から15世紀に中国の広東省,福建省一帯などで焼成された壺を〈真壺(まつぼ)〉と呼んで,16世紀に茶の湯が成立すると,名壺には〈松島〉〈三日月〉などの銘も付けられて尊重された。徳川幕府は将軍家へ納める宇治から江戸への茶壺の送迎を〈御茶壺道中〉として,10万石の大名の通行と同じ格式を与えたため,ことさら茶壺の形式化が進んだ。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」