茶葉を保存するための大型の壺。抹茶(まっちゃ)を入れる茶入を小壺と称したのに対して大壺ともいう。また、単に茶壺といえば葉茶壺をさす。新茶を貯蔵、密封しておき、11月ごろ口切(くちきり)の茶事にあたって封を切り茶葉を出し粉末にする。その場合、濃茶(こいちゃ)用は袋に入れ、薄(うす)茶用は詰茶とされる。小型の壺は三、四斤(きん)(一斤は約600グラム)、大型は七、八斤の茶葉が入る。室町中期の書院式茶道のころから中国産が珍重されてきたが、南方貿易の興隆とともに、呂宋(ルソン)壺が多数輸入され、真壺(まつぼ)、清香(せいごう)壺、蓮華王(れんげおう)壺などの区別がなされている。ほかに瀬戸(せと)、信楽(しがらき)、丹波(たんば)、備前(びぜん)焼や、近世では仁清(にんせい)の壺が喜ばれている。
[筒井紘一]
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