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茶壺 チャツボ

デジタル大辞泉の解説

ちゃ‐つぼ【茶×壺】

葉茶の貯蔵運搬に用いる陶製

ちゃつぼ【茶壺】[狂言]

狂言。詐欺師が、街道で寝ている男から茶壺を取ろうとして争っていると、その地の目代(もくだい)が仲裁に入り、茶壺を持ち去る。

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世界大百科事典 第2版の解説

ちゃつぼ【茶壺】

葉茶を貯蔵,運搬するための壺。茶の湯では,11月になると宇治の茶園から届けられた,その年の初夏に摘んだ新茶を詰めた茶壺の口封を切って葉茶を取り出し,ただちに茶臼で碾(ひ)いて粉末にして,茶を喫する。この行事を〈口切(くちきり)の茶事〉と称してきわめて重要視されている。抹茶の場合,その年の新茶は,壺の中に入れ山頂の冷処において夏を越させるのがよいとされるが,これは茶壺にほどよい通気性があって葉茶の熟成を助けるものと考えられていたからである。

ちゃつぼ【茶壺】

狂言の曲名。雑狂言。大蔵,和泉両流にある。栂尾(とがのお)で茶を買い求めてきた田舎者が,途中で立ち寄った知人の家で酒をふるまわれ,酔って街道筋に寝てしまう。そこへ通りかかったすっぱ(盗賊)が,田舎者の茶壺に目をつけ,担った縄の片方に自分の肩を入れ,背中合せに横になる。目の覚めた田舎者が茶壺を取り返そうと争うところへ,所の目代(代官)が現れ,わけをたずねる。田舎者が茶の産地や商品明細について謡い舞いながら説明すると,すっぱも盗み聞きして同じように答える。

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食器・調理器具がわかる辞典の解説

ちゃつぼ【茶壺】

葉茶を貯蔵したり、運搬したりするのに用いる陶製の壺。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

茶壺
ちゃつぼ

狂言の曲名。雑狂言。茶壺を背負い酔って登場した使いの者が、連尺(れんじゃく)(物を背負うのに用いる荷縄)の片方を外し、道端に寝込んでしまう。そこへ通りかかったすっぱ(詐欺師(さぎし)。シテ)が、その荷縄に肩を入れ、使いの者と背中合わせに横になる。目を覚ました2人が茶壺の所有を争っているところへ、当地の目代(もくだい)が仲裁に入りわけを聞く。使いの者が主人の命により京都栂尾(とがのお)へ茶を求めに行った帰りだと答えると、すっぱも立ち聞きして同様に述べる。次に、茶に添えた入れ日記(内容明細書)を問うと、使いの者が謡い舞いながら説明をすれば、すっぱも盗み見てそのとおりまねをする。そこで今度は2人いっしょに舞わせてみると、すっぱは使いの者を見ながらテンポも遅れがちに舞い納めるのがやっとのありさまである。ところが、目代は「論ずる物は中より取れ」という諺(ことわざ)があると、茶壺を持って逃げてしまう。2人が後を追い込んで終曲する。悪徳役人に対する風刺のきいた狂言だが、連舞(つれまい)におけるすっぱのまごつき方が見どころ。
 これを歌舞伎(かぶき)舞踊化したものに岡村柿紅(しこう)作『茶壺』があり、1921年(大正10)帝国劇場において7世坂東(ばんどう)三津五郎が初演した。[林 和利]

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世界大百科事典内の茶壺の言及

【水滴】より

…陶磁器では宋代以降に水盂が多くつくられ,ことに清代の雍正窯などに〈太白尊〉と呼ぶ水丞の名品がある。一方,明代から清代にかけて栄えた江蘇省の宜興窯では,朱泥や烏泥(うでい),褐泥などの急須形水注(茶壺と呼ぶ)が盛んにつくられ,文人趣味の流行した江戸時代後期の日本でも愛玩された。 朝鮮では高麗青磁にも少数ながら童児や竜をかたどった水滴があるが,最も盛んにつくられたのは李朝においてである。…

【煎茶道】より

…形は円式が一般だが,他に木瓜式,一葉式等造形の変化は多い。(6)茶壺,茶則 数回分の茶葉を納め,小出しに使用する。茶壺から茶葉を量り,茶瓶に入れる場合は茶則を用いる。…

【壺】より

…木器は遺品が乏しく,わずかに中世の根来(ねごろ)塗に薬壺などがみられる。 壺が各種のものの貯蔵に用いられたことは,薬壺,塩壺,油壺,お歯黒壺,茶壺などの名からも明らかだが,貯蔵以外の特殊な用途をもつものもあった。たとえば唾壺(だこ)は,平安時代貴族の調度で,広い口縁をもち,唾や痰を捨てるために用いられた。…

【松羽目物】より

…その後菊五郎が《菊慈童》《羽衣》,団十郎が《素襖落(すおうおとし)》《三人片輪》を創演。大正期には岡村柿紅と6世尾上菊五郎,7世坂東三津五郎のコンビによって《身替座禅》《棒しばり》《茶壺》などの名作が作られた。【権藤 芳一】。…

※「茶壺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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