抹茶(読み)マッチャ

デジタル大辞泉 「抹茶」の意味・読み・例文・類語

まっ‐ちゃ【抹茶】

新芽を摘んで精製した葉茶を、臼でひいて粉末にしたもの。主として茶の湯に用い、濃い茶薄茶とがある。き茶。散茶
[類語]日本茶新茶麦茶煎茶碾き茶玉露番茶緑茶グリーンティーほうじ茶玄米茶碾茶てんちゃ薄茶お薄濃い茶芽茶葉茶茎茶粉茶銘茶粗茶渋茶空茶からちゃ出涸らし

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精選版 日本国語大辞典 「抹茶」の意味・読み・例文・類語

まっ‐ちゃ【抹茶】

  1. 〘 名詞 〙 上等の製茶を臼でひいて粉末にしたもの。主として、茶の湯に用いる。ひき茶。散茶。〔撮壌集(1454)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「抹茶」の意味・わかりやすい解説

抹茶
まっちゃ

てん茶を挽臼(ひきうす)で1~3マイクロメートルの微細粉にひいたもの。中国で宋(そう)代に飲用されていたものを、鎌倉時代に僧栄西が日本に伝え、しだいに飲用が進んで室町時代には抹茶で茶道を生むに至ったが、中国では明(みん)代には廃れてその本家は釜炒(かまい)り茶に変わっていった。しかし、日本でも抹茶の飲用は一部にとどまり、大衆的なものにはならなかったが、今日の茶業の基礎を培ってきた茶である。摘採前に遮光のための覆いをしてつくる覆い下茶が原料になったのは桃山時代からで、これによって茶の品質が一段と優れたものになった。抹茶には濃茶(こいちゃ)、薄茶(うすちゃ)の別があり、濃茶は濃緑色で黒みがかっているのに対し、薄茶は鮮やかな青緑色である。これは原料の芽葉の違いによるもので、濃茶では覆いの遮光度を強くし、肥培管理も入念にして柔らかく熟した芽葉を原料にするのに対し、薄茶は覆いも簡単でタンニンもやや多い。濃茶は練ってから点(た)てる甘味の多い茶で、一つ茶碗(ちゃわん)で回し飲みされる。薄茶は渋味はあるがあっさりした味わいで、通常は一人前ずつ点てる。上質の抹茶は茶筅(ちゃせん)で練ったり混ぜたりしているとき、覆い下茶特有の香を放ち、青緑色に泡立ち、アミノ酸うま味を感じ、のどごしは滑らかである。美しい緑色と芳香が好まれ、リキュール、菓子、氷菓などに利用されている。産地は京都府宇治市城陽市愛知県西尾市が有名。

[桑原穆夫]

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飲み物がわかる辞典 「抹茶」の解説

まっちゃ【抹茶】


主として茶の湯に用いる、上等な茶葉をひいて粉にした茶。茶の木に新芽が出たらよしずや稲わら、黒の寒冷紗(かんれいしゃ)(目の粗い薄地の織物)などで茶園をおおって20日程度直射日光を遮って育てた若い芽を摘み取って、発酵が生じないようにただちに蒸し、乾燥させたものを、石臼でひいて作る。煎茶では蒸した後、熱風にあてて水分を除きながらもみほぐして細くまっすぐに形をととのえるが、抹茶ではもむ工程を経ずに乾燥させる。茶の湯では、濃茶(こいちゃ)と薄茶(うすちゃ)の別があり、用いる茶も作法も異なる。茶の湯以外にも、和菓子洋菓子、飲み物などに用いる。◇「ひき茶」ともいう。また、乾燥がすみ、粉にひく前の茶葉を「碾茶(てんちゃ)」という。⇒濃茶薄茶碾茶

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「抹茶」の意味・わかりやすい解説

抹茶
まっちゃ

茶の湯に用いる粉茶。ひき茶ともいう。茶の新芽を蒸して乾燥し,茎柄,葉脈を除いて茶臼でひいて粉にしたもの。熱湯を注ぎかき混ぜて飲む。老齢の茶の木からとったものを濃茶 (こいちゃ) ,若い木から摘んだものを薄茶という。味に濃淡の差がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「抹茶」の意味・わかりやすい解説

抹茶 (まっちゃ)

挽茶(ひきちゃ)

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百科事典マイペディア 「抹茶」の意味・わかりやすい解説

抹茶【まっちゃ】

挽茶(ひきちゃ)

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世界大百科事典(旧版)内の抹茶の言及

【挽茶】より

…碾茶とも書き,抹茶ともいう。玉露同様覆下園(おいしたえん)で育てた覆下茶を,揉捻(じゆうねん)することなく,蒸してそのまま乾燥し貯蔵する。…

※「抹茶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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