真桑用水(読み)まくわようすい

日本歴史地名大系 「真桑用水」の解説

真桑用水
まくわようすい

中世末には設けられていたが、成立年代は不詳。根尾ねお谷の水を山口やまぐち(現本巣町)においてやぶ(現根尾川)に落し、江戸時代には本巣郡大野郡の二〇ヵ村(約一万三千四〇〇石余)を灌漑した。同じく藪川の水を取水した南原なんばら用水掛り五ヵ村を含めることもあった。また席田むしろだ用水と合せ山口井水とも称した。中世末の文書には真桑七ヵ井または単に七ヵ井とみえ、席田用水同様糸貫いとぬき川から取水、当井方の取水口のほうが上流であったという(寛永一〇年「上真桑村外三十ヶ村連署申状」守屋文書)。享禄三年(一五三〇)洪水で新しくできた藪川筋は、それまでに真桑用水路として利用されていたとの伝えがある(岐阜県史)

川筋変更後、席田井方との対立で享禄五年真桑方が席田井堰を取壊したが、土岐氏は真桑・真桑地頭方(現真正町)早野ときの有里ありさと数屋かずや小弾正こだんじよう高屋たかや西上秋にしかんだけ(現糸貫町)更地さらじ(現揖斐郡大野町)の代表者に修復を命じている(同年六月一〇日「七ヵ井名主百姓等連署人数帳」・同月一三日「松橋周之書状案」仏生寺区有文書)。寛永一〇年(一六三三)席田井方の非を訴えた当井方村々は上・下の真桑村など三一ヵ村であった(「上真桑村外三十ヵ村連署申状」守屋文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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