日本大百科全書(ニッポニカ) 「睡眠ポリグラフ検査」の意味・わかりやすい解説
睡眠ポリグラフ検査
すいみんぽりぐらふけんさ
polysomnography
睡眠の異常を調べる検査法の一つ。病院に宿泊して睡眠後から翌朝起床時までの夜間睡眠の状態を調べ、睡眠障害について検査する。略称PSG。睡眠ポリソムノグラフィ、終夜睡眠ポリグラフ検査ともいう。英語のpolysomnographyのsomnoは睡眠の意味である。検査に用いる機器をポリグラフ、検査結果を図示したものはポリグラム(ポリソムノグラムpolysomnogram)という。複数のセンサーを体に装着して睡眠中の脳波、眼球運動、筋電図、呼吸筋の運動と呼吸気流、血液酸素飽和度、睡眠時の体位、心電図などを並行して連続的に記録する。いくつかの脳波の現れ方から睡眠深度あるいは覚醒(かくせい)度が読み取れ、眼球運動や筋電図によりノンレム睡眠の開始から急速眼球運動がみられるレム睡眠が持続するまでの睡眠リズム(睡眠周期)、および睡眠パターンを知ることができる。また、呼吸筋の運動と呼吸気流、さらに血液酸素飽和度も含めて、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断データとして活用される。加えてSASが上気道閉塞(へいそく)によるものか、上気道閉塞を伴わず周期的な無呼吸がみられる中枢性のものかの判別にも応用される。閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断され、上気道閉塞の原因となる扁桃(へんとう)肥大やポリープなどの病変がみつかった場合は手術が検討される。自宅で検査を行うことができる簡易型の装置も考案されている。
[編集部]