矢代川(読み)やしろがわ

日本歴史地名大系 「矢代川」の解説

矢代川
やしろがわ

頸城くびき連峰の最高峰火打ひうち(二四六二メートル)水源を発し、大毛無おおけなし(一四二九メートル)から流れるエンドウ川を東山麓で併せ、大毛無山の南東膳棚ぜんだなに水源をもつ御備おそなえ川と、粟立あわだち(一一四九メートル)に水源をもつ中野なかの川などが両善寺りようぜんじの西で万内ばんない川と合流し、さらに通称西長森にしながもり集落の南で矢代川に合する。籠町南葉かごまちなんば(九〇九・一メートル)の東山麓から発するうち川は、猪野山いのやま梨木なしのき乙吉おとよし雪森ゆきもりなどの集落を経て上越市稲荷いなりで矢代川と落合う。

矢代川は新井市域の西方山麓を南から北へ流れ、上越市今池いまいけ橋付近でせき川と合流する。矢代川水系の河川を水源とする用水路は数多く、井戸・水道の発達するまでは住民の飲料水に利用されたほか、市街地では用水路に水車を設置して、脱穀精米を職業とする者もあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報