精米(読み)セイマイ

デジタル大辞泉 「精米」の意味・読み・例文・類語

せい‐まい【精米】

[名](スル)玄米をついて外皮を取り除き、白くすること。また、白くしたその米。しらげよね。「七分づきに精米する」
[類語]精白精麦しらげる半搗き七分搗き

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精選版 日本国語大辞典 「精米」の意味・読み・例文・類語

せい‐まい【精米】

  1. 〘 名詞 〙 玄米をついてその外皮の部分をとり白くすること。また、つきしらげた米。精白米。しらげよね。しょうまい。
    1. [初出の実例]「糈は精米なり。上白ぞ」(出典:史記抄(1477)一八)
    2. [その他の文献]〔礼記疏‐礼運〕

しらげ‐ごめ【精米】

  1. 〘 名詞 〙しらげよね(精米)〔いろは字(1559)〕

しらげ‐よね【精米】

  1. 〘 名詞 〙 しらげた米。ついて精白した米。白米。しらげごめ。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「精米」の意味・わかりやすい解説

精米 (せいまい)

玄米からぬか層および胚芽を除去したものをいう。玄米組織のなかでぬか層の比率重量で5~6%,胚芽は2~3%であり,精米機でぬか層,胚芽を十分に除去した精米(完全精米ともいう)の搗精(とうせい)歩留りは普通91~92%である。これに対し搗精の程度を軽くし,ぬか層,胚芽の約50%を除いたものを五分搗精米(半搗(はんつき)米),約70%を除いたものを七分搗精米といい,それぞれ搗精歩留りは96,94%であるが,最近ではほとんど使われておらず,一般に市販されているものはぬか層,胚芽を十分に除去した完全精米である。

 精米は加工の操作が比較的簡単であり,その良否には原料米の性質が大きく影響する。米が田のなかでできる過程を実りというが,実りがうまくいって,デンプンの充実のよい米は概してよい原料米といえる。そのような米を搗精した精米はよく太って丸く,粒もよくそろっている。精米がじょうずに搗精されているかどうかを調べるにはつぎのような点を観察してみるとよい。(1)残りやすい精米の縦溝部(米の表面に縦に入っている浅い溝)および背部(胚芽がついている面の反対側)のぬか層がよくとれている。(2)米粒の表面に細かい付着ぬかがない。(3)搗精のむらがない。(4)胚芽がよくとれている(ただし胚芽米の場合は反対)。(5)砕粒が少ない。(6)精米の色つやがよい。
執筆者:

玄米からぬかや胚芽を除き白米を作る機械。精米部には高速回転(600~2000rpm)する金剛いし砥石)のロールでぬかを削り取る研削式と,玄米を回転ロール(700rpmくらい)を備えた円筒に通してぬかを除く摩擦式とがある。後者では中空ロールを通して空気を送り,摩擦による米の昇温を抑え,またぬか切れ(ぬかを除くこと)をよくする。大型精米工場ではこれらの機械を数台直列に組み合わせて用いる。研米機は精米後の米に付着しているぬかをきれいに除くもので,回転する皮のバフ内に米を通す型式のもの,軽く摩擦精米機を通す方式のものなどがある。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「精米」の意味・わかりやすい解説

精米
せいまい

玄米の外層の糠(ぬか)層および胚(はい)(胚芽)を除去して白米にすること。精白あるいは搗精(とうせい)ともいう。また玄米を精米した精白米のことも精米という。玄米の糠層には消化しにくい繊維が含まれ、また外層は暗灰色や褐色など着色があり、料理した場合も汚く、それに糠層や胚がついていると味もよくない。糠層や胚を除くとこれらの欠点が改善され、商品としての価値も高くなる。しかし糠層や胚にはビタミンB1やタンパク質、脂肪などが内部組織より多く含まれ、また繊維質は便秘を防ぐなど健康に効果があるので、これらを除いた精白米の常食は栄養・保健的に問題があるといわれる。そこで完全には精白しない七分搗(しちぶづ)き米(まい)や五分搗き米、あるいは胚を残して搗いた胚芽米などが健康食品とされる。副食品が豊かになり、それらから栄養を十分にとれるようになった現在では、味と美観の優れる完全精白米が一般に食べられている。

 精米は昔は臼(うす)に入れた玄米を杵(きね)で搗いて行ったので搗精というが、いまでは精米機により、粒の摩擦、切削、衝突による剥離(はくり)などの方法で精米が行われる。搗精した精米の重量が玄米重量の何%にあたるかをもって精白の程度を表し、これを精白歩合という。精白歩合は完全精米の場合、普通92~94%である。清酒原料とする酒造精米では、糠層よりさらに内側の胚乳デンプン貯蔵組織をかなり除去するので、精白歩合は70%未満である。

[星川清親]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「精米」の意味・わかりやすい解説

精米
せいまい
rice cleaning

玄米から精白米 (白米) をつくる作業。玄米の表皮,外胚乳,膠質層,胚を取除く。この取除かれた部分がぬかである。一般にこの作業には精米機を使うが,精米機には,(1) 杵で米粒をつき米粒相互の摩擦によって剥皮する胴搗法,(2) 鉄製の円筒内に螺旋突起部をもつローラを回転させ,その摩擦によって精白する摩擦法,(3) 螺旋突起部をもつ杵を臼のなかで直立回転させ精白する螺旋法,(4) 回転する円筒の内部に,これと反対方向に急速度で回転する杵を置き,これで表皮を落下させる打撃法がある。

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普及版 字通 「精米」の読み・字形・画数・意味

【精米】せいまい

白米。

字通「精」の項目を見る

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栄養・生化学辞典 「精米」の解説

精米

 玄米の糠層,胚芽などを除去して精白米にすること.

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世界大百科事典(旧版)内の精米の言及

【搗米屋】より

…搗米は精米する作業で,近世にはこれを専業とするものが成立し,搗米屋と呼ばれて米穀流通の最終過程を担当した。江戸には1744年(延享1)当時18組,およそ2100人の搗米屋が存在し,臼5500ほどを使って営業していた。…

※「精米」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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