…そして特定の寺院の地蔵尊の由来を説く縁起や,中国,日本のさまざまな地蔵の霊験談を集めた《地蔵菩薩霊験記》が作られ,絵巻化された。前者の代表例としては鎌倉時代の《矢田地蔵縁起》2巻(京都矢田寺)があげられよう。満米聖人が地獄で生身の地蔵に会い,その姿を彫って矢田寺を開いた由縁と,あやまって母を殺した武者所康成がその死後,日ごろ信仰していた矢田寺の地蔵によって地獄から救い出される霊験譚を内容としている。…
※「矢田地蔵縁起」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」