出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
奈良県大和郡山(やまとこおりやま)市矢田町にある金剛山寺(こんごうせんじ)の通称。八田寺とも書く。山号は矢田山(やたさん)。高野山真言(こうやさんしんごん)宗に属する。本尊は地蔵菩薩(ぼさつ)。673年(天武天皇2)天武(てんむ)天皇の勅願で智通(ちつう)が開山したという。796年(延暦15)満米(まんべい)が中興し、自刻の地蔵菩薩像(現在の本尊、国重要文化財)を安置した。矢田地蔵として庶民の信仰を集め、江戸時代までは八宗兼学の寺で、法相(ほっそう)宗に属した。寺宝には、本尊のほかに木造地蔵菩薩像、木造阿弥陀(あみだ)如来像、木造十一面観音(かんのん)像、同閻魔倚像(えんまいぞう)、絹本着色矢田地蔵縁起二幅、銅鐘などの重文がある。境内の春日(かすが)神社本殿も重文。
[宮坂宥勝]
…農業は米作を中心に,イチゴ,トマト,ナスなどの野菜類,桃,柿などが栽培される。矢田丘陵には奈良時代の創建になり,満米上人以来の地蔵信仰とアジサイの寺として著名な矢田寺(金剛山(こんごうせん)寺),舎人親王の建立と伝え,厄除け観音で参詣者の多い松尾寺,小泉藩主で茶道石州流の祖片桐石州(貞昌)の手になる庭園(史・名)で名高い慈光院や民俗博物館などがあり,県立自然公園に指定されている。東部の稗田は代表的な環濠集落として知られる。…
※「矢田寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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