矢田寺(読み)ヤタデラ

デジタル大辞泉 「矢田寺」の意味・読み・例文・類語

やた‐でら【矢田寺】

奈良県大和郡山市にある高野山真言宗の寺。山号は、矢田山。天武天皇2年(673)天皇勅願により智通開創と伝える。のち、満米まんめい中興八宗兼学道場となった。正称金剛山寺八田寺。

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精選版 日本国語大辞典 「矢田寺」の意味・読み・例文・類語

やた‐でら【矢田寺】

  1. 奈良県大和郡山市矢田町にある高野山真言宗の寺、金剛山寺(こんごうせんじ)通称。八田寺。

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日本歴史地名大系 「矢田寺」の解説

矢田寺
やたでら

[現在地名]中京区天性寺前町

寺町てらまち通に西面して門を開く。西山浄土宗。金剛山と号し、本尊地蔵菩薩。俗に代受苦地蔵ともよばれる。寺伝によれば、承和一二年(八四五)大和国矢田山金剛山こんごうせん(現奈良県大和郡山市)を模してあや小路町尻の地(現京都市下京区)に仏堂を建て、同寺の別院としたのが始まりという。応仁の乱以後の様子を描いたといわれる中昔京師地図によると、現在の下京区矢田町南頬西角に「矢田寺」が所在する。本尊の地蔵菩薩は「元亨釈書」に「釈満米和州金剛山寺俗号矢田寺もとより 持地蔵尊陰府帰招良工獄中地蔵相于寺其像今尚在長五尺或云米本満慶得後時人改今名」とある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「矢田寺」の意味・わかりやすい解説

矢田寺
やたでら

奈良県大和郡山(やまとこおりやま)市矢田町にある金剛山寺(こんごうせんじ)の通称。八田寺とも書く。山号は矢田山(やたさん)。高野山真言(こうやさんしんごん)宗に属する。本尊は地蔵菩薩(ぼさつ)。673年(天武天皇2)天武(てんむ)天皇の勅願で智通(ちつう)が開山したという。796年(延暦15)満米(まんべい)が中興し、自刻の地蔵菩薩像(現在の本尊、国重要文化財)を安置した。矢田地蔵として庶民の信仰を集め、江戸時代までは八宗兼学の寺で、法相(ほっそう)宗に属した。寺宝には、本尊のほかに木造地蔵菩薩像、木造阿弥陀(あみだ)如来像、木造十一面観音(かんのん)像、同閻魔倚像(えんまいぞう)、絹本着色矢田地蔵縁起二幅、銅鐘などの重文がある。境内春日(かすが)神社本殿も重文。

宮坂宥勝

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世界大百科事典(旧版)内の矢田寺の言及

【大和郡山[市]】より

…農業は米作を中心に,イチゴ,トマト,ナスなどの野菜類,桃,柿などが栽培される。矢田丘陵には奈良時代の創建になり,満米上人以来の地蔵信仰とアジサイの寺として著名な矢田寺(金剛山(こんごうせん)寺),舎人親王の建立と伝え,厄除け観音で参詣者の多い松尾寺,小泉藩主で茶道石州流の祖片桐石州(貞昌)の手になる庭園(史・名)で名高い慈光院や民俗博物館などがあり,県立自然公園に指定されている。東部の稗田は代表的な環濠集落として知られる。…

※「矢田寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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