矢田部通寿(読み)やたべ・つうじゅ

朝日日本歴史人物事典 「矢田部通寿」の解説

矢田部通寿

没年:明和5(1768)
生年元禄10(1697)
江戸中期の金工家。常陸国(茨城県)水戸に生まれ,はじめ道寿,晩年には胤寿と名乗った。別号に常陽水がある。水戸の軍地功阿弥の門に学び,のちに奈良利寿の門に入ったとされている。作風は「狂獅子図鐔」「雲竜文透鐔」(いずれも東京国立博物館蔵)などが示すように鋭い彫技と雄壮な高彫りで知られる。門下からは,玉川美久から海野美盛に至る一派や玉川吉長,篠崎勝国から一柳友善に至る系統など多彩なすぐれた門人を輩出し,水戸彫りの興隆に尽くし,中興の祖と仰がれた。

(加島勝)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「矢田部通寿」の解説

矢田部通寿 やたべ-つうじゅ

1697-1768 江戸時代中期の装剣金工。
元禄(げんろく)10年生まれ。軍地功阿弥(ぐんじ-こうあみ)の門人で,奈良利寿(としなが)にもまなんだという。肉彫り地透かしを得意とし,水戸彫の中興の祖とよばれる。明和5年6月1日死去。72歳。常陸(ひたち)(茨城県)出身通称は彦六。別号に胤寿,常陽水。作品に「雲竜文透鐔」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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