矢立山古墳群(読み)やたてやまこふんぐん

国指定史跡ガイド 「矢立山古墳群」の解説

やたてやまこふんぐん【矢立山古墳群】


長崎県対馬市厳原(いずはら)町にある古墳群。対馬の西海岸、小茂田(こもだ)の集落に注ぐ佐須川の右岸にある。1号墳は東西5.2m、南北4.5m、高さ2.4mの墳丘に貼り石をほどこした3段築成の方墳。埋葬施設は長さ4.8mの横穴式石室で、金銅装大刀、木棺に使用された鉄釘、須恵器(すえき)片などが出土。2号墳は東西8.8m、南北10.5m、高さは2.5mを超える墳丘に貼り石をもつ3段築成の長方形墳で、T字形を呈する横穴式石室が特徴。出土遺物は金銅装大刀、銅椀、須惠器の長頸壺などである。2001年(平成13)に発見された3号墳は積み石塚で、段築は確認されていない。埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、鉄刀、鉄鏃(てつぞく)、土器類などが出土。この古墳群は7世紀前半から終末にかけて営まれ、新たに発見された3号墳は1・2号墳よりも後の築造で、規模や構造などにおいて様相を異にしていることが明らかになった。1976年(昭和51)に1号・2号墳が矢立山古墳として国の史跡に指定されたが、3号墳が発見され、2005年(平成17)に追加指定されて、古墳群と名称変更された。対馬交通バス厳原から「金田校前」下車、徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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