知れる(読み)シレル

デジタル大辞泉 「知れる」の意味・読み・例文・類語

し・れる【知れる】

[動ラ下一][文]し・る[ラ下二]
他の人の知るところとなる。知られる。「名の―・れた人」「親に―・れては困る」
知ることができる。自然にわかる。判明する。「気心の―・れた人」「行方が―・れない」「あんなことをするなんて、気が―・れない」
大したことではないとわかる。それほどではないと見当がつく。「たかが―・れている」「一人の力なんて―・れたものだ」「集まるとしたって―・れた数だ」
(「しれたこと」の形で)わかりきっていて言うまでもない。「―・れたことよ」「金がないのは―・れたことだ」
(「どんなに…かしれない」などの形で)予想がつかないほど甚だしい、の意を表す。「どんなに心配したか―・れない」「どれほど待ち望んでいるか―・れない」→かも知れない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「知れる」の意味・読み・例文・類語

し・れる【知】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]し・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. ( 「知る」に対する受身・使役形で、「他人の知るところとなる」の意を、消極的には受身として、積極的には使役として表現したもの ) 知られる。また、知らせる。わからせる。
    1. [初出の実例]「春の野にあさる(きぎし)妻恋に己(おの)があたりを人に令知(しれ)つつ」(出典万葉集(8C後)八・一四四六)
  3. ( 「知る」に対する自発・可能形 ) 知ることができる。自然にわかる。
    1. [初出の実例]「一どにてはしれぬ、ま一どあひいのりにいのらふ」(出典:虎明本狂言・犬山伏(室町末‐近世初))
    2. 「女はしれぬ仕合のある物にて」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)五)

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