知院事(読み)ちいんじ

精選版 日本国語大辞典 「知院事」の意味・読み・例文・類語

ち‐いんじ‥ヰンジ【知院事】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 勧学院で、別当・学頭の下に位置し、事務一般を管掌する官人。藤原氏以外の者を任じた。
    1. [初出の実例]「権知院事錦 知院事摂津権少目若江 知院事身人部」(出典:朝野群載‐七・応和元年(961)五月一五日)
  3. 僧職の一つ。
    1. (イ) 延暦寺の子院の場合、別当の下で院中の僧を統率し、事務処理を指揮する。三綱に代えておかれ、その職務を代行する。
      1. [初出の実例]「法花三昧院〈略〉別当延秀、知院事円信」(出典:叡岳要記(鎌倉中)上)
    2. (ロ) 興福寺の子院の場合、雑用従事
      1. [初出の実例]「知院事給 八石四斗八升 若槻庄」(出典:三箇院家抄(1469頃)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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