朝日日本歴史人物事典 「石井鼎湖」の解説
石井鼎湖
生年:嘉永1.3(1848)
明治期の日本画家。幕末の画家鈴木鵞湖の次男。江戸生まれ。名は貞次郎,また重賢。安政6(1859)年仙台藩士の造船家三浦乾也の養子となり,文久3(1863)年石井家を継ぐ。幼時より父に絵を学び,また幕末にフランス語も学ぶ。明治3(1870)年大蔵省に出仕,28年まで勤務し,公債証書や紙幣の下図図案を描く。一方,同10年中丸精十郎に洋画も学び,22年明治美術会創立に参加。30年には日本南画会の結成にも参加するなど,日本画,洋画双方にわたる幅広い活動を行った。長男は洋画家石井柏亭,次男は彫刻家石井鶴三。
(佐藤道信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報