朝日日本歴史人物事典 「石坂周造」の解説
石坂周造
生年:天保3.1.1(1832.2.2)
明治時代の石油採掘業の先駆者。幕医石坂宗哲の次男。江戸深川生まれ。尊王攘夷に加わり幾度か投獄。明治3(1870)年釈放後,義兄山岡鉄舟の尽力で翌年8月,長野石炭油会社を資本金3万円で設立,善光寺付近で手掘りを開始。前アメリカ函館領事A.C.ダンを雇い綱掘機械を輸入,華族資金も加え15万円の石油会社(社名)に発展するが失敗。11年3月解散。静岡でも失敗。22年9月新潟県西山油田鎌田3号井でようやく成功するが,鉱区を独占せず業者に開放するなど計画の甘さがみられた。<参考文献>日本石油編『日本石油史』『日本石油百年史』
(小林正彬)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報