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採油 サイユ

5件 の用語解説(採油の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

さい‐ゆ【採油】

[名](スル)
地下の油層から石油汲み取ること。
植物の種子などから油をしぼりとること。「菜種から採油する」

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百科事典マイペディアの解説

採油【さいゆ】

地下深所の油層から原油を取り出すこと。一次回収法と二次回収法があり,前者は新しい油井から自噴させたり,ポンプでくみ上げる方法をいう。後者は老化した油井に実施され,ガスを送って噴出圧を高めるガス圧入法,水を送って石油を押し出す水攻法,油井内に空気を送って原油を燃焼させ生じた熱で石油の一部をガス化,その圧力によって噴出させる火攻法など種々の方法がある。
→関連項目石油

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世界大百科事典 第2版の解説

さいゆ【採油 oil production】

油田の地下に存在する油層から坑井を通じて原油を地表に採り出すこと。一般に採油工学(採油技術)には,油層中の流体の流れを取り扱う油層工学技術,坑井の掘削や仕上げ法に関するさく(鑿)井技術,地表でガスを分離したり,水分や砂をはじめとする不純物を除去するなどの処理を行い,精油所などへ原油として出荷するまでの過程を扱う処理技術などが含まれる。しかし狭い意味での採油技術は,生産中の油田における坑井管理や地表施設の運転・保守などの生産操業に関する技術のみを意味する。

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大辞林 第三版の解説

さいゆ【採油】

( 名 ) スル
石油を掘り採ること。
菜種・胡麻ごまなどから油を搾り取ること。 「菜種から-する」

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

採油
さいゆ

油層から原油を採取することをいう。[田中正三]

排油機構

油が油層内を流れる機構を排油機構または油の駆動機構という。油層内には原油のほかに天然ガスと塩水が存在する。天然ガスは油層上部に遊離ガスとして、また原油中に溶解ガスとして存在する。遊離ガスの存在する油層部分をガスキャップという。塩水は油層周囲に存在する。この塩水を端水(はすい)という。これら天然ガスと端水が油層から石油井へ向かって油を押し流していくエネルギー源である。油層開発が始まり油層圧力が低下すると、原油中の溶解ガスは分離膨張し、ガスキャップ中の遊離ガスは膨張し油を石油井へ駆動していく。前者が主要な作用をするときは溶解ガス押し型排油、後者の働きが著しいときはガスキャップガス押し型排油という。端水も油層圧力低下とともに油層へ浸入してきて、油を伴って石油井へ流れる。これを水押し型排油という。油田の産油量の変化はこれら排油機構により左右される。水押し排油を受ける油田の産油量は減退が小さく、長期にわたり一定のレートで産油する。中東の油田には水押し型油田が多い。溶解ガス押し型排油はもっとも減退が早い。[田中正三]

二次採収

以上のどの排油機構であっても、油層圧力が大きければ、原油は油層が本来もつエネルギーにより石油井へ流れていくが、油層圧力の低下とともに産油量は減少し、ついには経済的に油田が維持できなくなる。この段階でも油層には多量の油が残留している。採収率は排油機構により異なり、溶解ガス押し型は5~30%、ガスキャップガス押し型は20~40%、水押し型は35~70%と推定されている。この残留している油を採収しようというのが二次採収である。その前の油層本来のエネルギーで油を採収する段階を一次採収という。
 二次採収でもっとも広く採用されている方法が水攻法である。水攻法は、地表より油層へ水圧入井を通して水を圧入し、油層圧力を維持し、水の作用で油を石油井へ押し流していく方法である。水攻法はアメリカで1950年代から広く採用されるようになり、世界中に広まっていった。初めのうちは油層圧力が枯渇した油田で採用されていたが、最近では油層圧力が高くとも、油層圧力の減退を防ぐため積極的に油田開発の初期の段階で水圧入が実施されるようになった。旧ソ連地域、中東、北海などの大油田でも水攻法が実施されており、油田開発計画のなかには当初から水攻法の計画が織り込まれている。かかる状況下では一次採収と二次採収の区別は意味がないが、二次採収という用語は依然として用いられている。二次採収として水攻法のほかにガス圧入法がある。この方法は油層から産出した天然ガスをふたたび油層頂部に圧入し、油層圧力の減退を防ぎ採収率を増加させる方法である。天然ガス資源の浪費を防ぎ、油層エネルギー補給のため、油田の華やかな景観であるガスの放散燃焼を禁止し、ガス圧入を義務として実施する趨勢(すうせい)にある。
 二次採収を実施してもまだ多量の油が残留する。油層中の油を水で押す実験をすると、水の置換により孔隙(こうげき)中に残る油は、当初の20~30%に下がるが、実際の油層ではこのように効率よく採収されるとは考えられない。そこで二次採収後残留した油の採収が考えられるようになった。これを三次採収あるいは採収率増加法という。[田中正三]

三次採収

石油価格の上昇により、石油の採収費が高くなっても経済的に採算がとれるようになったことと、石油資源の増加を図る方法として、三次採収の油田への適用と実験室の研究は盛んに行われるようになった。三次採収法として熱採収法、化学攻法およびガスミシブル法がある。熱採収法には水蒸気圧入と、油層に空気を圧入し、油を燃焼させそのエネルギーを利用する火攻法がある。水蒸気圧入は、カリフォルニアの重質油層などに広く適用され、油層を加熱し油の粘度を下げ、水蒸気で油を石油井へ押し流していく。化学攻法は、界面活性剤の溶液やアルカリ溶液を油層へ圧入し増油を図る方法である。ガスミシブル法は、炭化水素系のガスや炭酸ガスを油層へ圧入し、油とガスの間に油やガスの両方ともによく溶解しあう中間相をつくり採収率をあげることを目的としている。[田中正三]

石油井

一次採収から三次採収まで、油層中の油は天然ガスや水の作用により石油井へ流入し、石油井を通って地表へ産出する。油層まで掘削された孔にケーシングとよばれるパイプが挿入され、その周囲はセメントで固められる。石油井の油層部分は、ガンパーホレータとよばれる穿孔(せんこう)装置で火薬や弾丸で孔をあけ、石油井と油層とを連結する。石油井にはチュービングとよぶパイプを挿入し、油はチュービングを通って地表へ流出する。石油井の坑口装置を別名クリスマスツリーという。坑口にはビーンとよぶ流量調節用の器具を取り付ける。ビーンは金属棒に小口径の孔をあけたものか、流量調節用の特殊なバルブで、石油井の産油量を制限している。石油井から流出した油とガスはセパレーターで分離される。産出したガス量を油量で割った値をガス油比という。原油はタンクに蓄えられ、天然ガスはパイプラインで消費地へ送られる。[田中正三]

採油制限

油層中の油はガスや水により押し流されて石油井へ流入するが、ガスや水は油より粘性が低く流れやすいため、坑口装置の流出口を広く開き石油井の圧力を低くすると、ガスや水は油を押さずバイパスして油層を流れてしまうので油層の採収率は悪くなる。このため坑口にビーンを取り付け、ガス油比を低くし、産油量を制限して採油が行われている。油田で原油の増産をしようとして、坑口のバルブを広く開くと、油の産出が早期に止まってしまう事態がおこる。[田中正三]

採油法

油田開発の当初、油層圧力が高いと石油井は自噴する。油層圧力が低下するにつれ、油の流出は間欠的となり、ついには停止する。この段階でガスリフト採油や、ポンプ採油が行われる。ガスリフト採油は石油井へ圧縮ガスを圧入し、ガスの膨張する力で油を流出させる。ポンプ採油は、チュービングの下端に採油ポンプを取り付け、ポンプのプランジャーを地表より降ろしたサッカーロッドとよぶ細長い鉄棒で上下させて採油する。[田中正三]

坑井刺激法

石油井の産油量を増加させるには、坑井周囲の油層岩石の浸透性を大きくする必要がある。増油のための坑井処理を坑井刺激法といい、酸処理と水圧破砕法がおもな方法である。酸処理は、石灰岩でできている油層を塩酸を主成分とする酸溶液で処理する方法で、石灰岩の油層が多い中東をはじめ各地で広く用いられている。水圧破砕は坑井に液体を満たして圧力を加え、地層に垂直または水平の亀裂(きれつ)をつくり、そこに砂利を充填(じゅうてん)する作業である。直接的な増油法ではないが、坑井のケーシングの外側に砂利を充填し、油層から坑井への砂の流入を防ぎ、石油井の採油中の事故防止をする砂利充填法も広く用いられている方法である。[田中正三]

坑井の産出能力

石油井はそれぞれ特定の産出能力をもっている。中東の大油田では1本の石油井から1日に1000キロリットル以上の原油を産出しているが、油田開発当初でも産油量が1日1キロリットル以下という石油井もある。かかる石油井の産出能力を表す指数が産出指数である。産出指数は、産油量を油層の圧力と石油井の圧力の差で割った値である。石油井の産出指数に差があるため、1日当り約100万バレルの産油量を得るのに、メキシコでは60本の石油井で足りるが、旧ソ連地域では6000本、アメリカでは5万6000本必要であるともいわれている。[田中正三]

坑井テスト

石油井の産出能力のテストのためには、坑井にケーシングを挿入し仕上げしてから試油を行い、ある一定期間採油して、安定してとれる産油量を決定する。この方法では、産油量が少ないとき、ケーシング挿入などによる損失を受けるので、掘管(ほりかん)の下端にフォーメーションテスターとよぶ器具を取り付け、裸坑に降ろし、産油量を試験する方法が多く用いられている。このテストを掘管テストあるいはDSTという。DSTで地表へ流出した油は特殊なバーナーで燃やし、その炎は石油井の成功を印象づける。[田中正三]

海底油田の採油

海底油田が発見されると、プラットホームの上に採油設備が設置され、産出した原油と天然ガスは海底パイプラインで陸上へ送られる。油田規模が小さいと、かかる大規模な方法は経済的に実施できない。そこで、浮遊式の生産施設を用いてプラットホームの建設を省略したり、坑井を海底仕上げするなどの方法でコストの減少を図る。今後マージナル油田とよばれる採算限界油田の開発が急務になっているので、小規模海底油田の採油装置の研究は盛んになると思われる。[田中正三]

坑道掘採油

油層に坑道を掘り油を含んでいる岩石を地表で乾留したり、坑道にしみ出した油をくみ上げる坑道掘採油法の研究が行われている。わが国では1939年(昭和14)新潟県東山油田で油層内に9852メートルの坑道が掘られた実績がある。しかし坑道掘採油法の実施は将来の問題である。[田中正三]

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