石居村(読み)いしずえむら

日本歴史地名大系 「石居村」の解説

石居村
いしずえむら

[現在地名]大津市田上石居町たなかみいしずえちよう

大戸だいど川を挟んでさと村の北にある。江戸期は里村の枝郷として推移。昔、在原業平が夢告を受けて当地に立寄り、大将軍だいしようぐん社の地に石を据え地蔵を祀り、写経一千部を奉納したとの伝承があり、慶長七年(一六〇二)膳所藩主戸田一西が領内巡見で訪れた際この由緒から石居村と名付けたという(田上石居町共有文書)。集落中央には白鳳期建立の石居廃寺が、その西には同時期の窯跡が残る石居遺跡がある。石居廃寺は、建久元年(一一九〇)源頼朝が一条能保室の仏事料をさいた「田上報恩寺」(「吾妻鏡」同年五月一〇日条)とも、在原ありわら寺跡(輿地志略)ともいう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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