石油蛋白(読み)せきゆたんぱく(その他表記)petro-protein

関連語 名詞 蛋白

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石油蛋白」の意味・わかりやすい解説

石油蛋白
せきゆたんぱく
petro-protein

石油中に含まれるノルマルパラフィンを原料として生産される微生物菌体あるいはそれから抽出した微生物蛋白をいう。初め,灯油そのものを原料とし,低温で灯油が凝固する原因となる高級パラフィンを除く脱パラフィンを兼ねる方法フランスで開発され,次いで,尿素アダクト法,モレキュラーシーブ法などで,灯油から精製されたノルマルパラフィンを原料とする方法が発展してきた。これらの方法で生産された酵母菌体は,メチオニンを除く必須アミノ酸含量が高く,魚粉に匹敵する栄養価をもつといわれている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の石油蛋白の言及

【微生物タンパク(微生物蛋白)】より

…酵母や細菌のような単細胞微生物がおもに用いられるので,single cell protein(単細胞タンパク,SCPと略す)とよばれることが多い。発酵タンパクともいい,ノルマルパラフィンのような石油系の原料から製造されるものは石油タンパクとよばれたこともある。第1次世界大戦下,ドイツで木材を酸で糖化し,食用酵母をつくったのが始まりという。…

※「石油蛋白」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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