微生物蛋白(読み)びせいぶつたんぱく(英語表記)single cell protein; SCP

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「微生物蛋白」の意味・わかりやすい解説

微生物蛋白
びせいぶつたんぱく
single cell protein; SCP

微生物菌体が含有する蛋白質あるいは蛋白源としての微生物菌体そのものをいう。単細胞蛋白ともいう。酵母細菌カビ (糸状菌) など微生物は菌体重量の数十%が蛋白質から成っており,工業規模で生産しうる新しい蛋白資源として,食飼料に利用できる。原料としては,糖質を含む種々の天然物,農畜産廃液などがあり,化石原料 (石油石炭天然ガスなど) からの生産も,資源の保有状況,社会の情勢にもよるが,重要なものの一つと考えられている (→石油蛋白 ) 。この目的のために,メタンガスノルマルパラフィン,石油化学製品であるメチルアルコールエチルアルコールなどが利用される。ノルマルパラフィンからは酵母菌体が,メチルアルコールからは細菌菌体が生産されている。水素細菌光合成細菌を用い,炭酸ガスを原料とする方法も研究が進められている。

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