化学辞典 第2版 「石炭化度」の解説
石炭化度
セキタンカド
degree of coalification, coal rank
植物が,泥炭(草炭)を経て石炭(褐炭,亜歴青炭,歴青炭,無煙炭)に変化する程度.便宜的に炭化度ともいう.この過程を石炭化ともよぶ.石炭化は,脱水,脱炭酸,脱メタン化を伴う分解と重縮合反応により進行する.石炭中の酸素と炭素の原子比(O/C)と,水素と炭素の原子比(H/C)との関係を示したコールバンドは,石炭の生成経路を理解するうえで便利であり,石炭化度が進むにつれて,O/CとH/Cは小さくなる.元素分析で求めた石炭中の炭素量(質量%)は,褐炭から無煙炭にいくに従い増加するので,炭素量を石炭化度の簡便な指標に用いる.大まかには,褐炭と亜歴青炭を低炭化度炭,歴青炭と無煙炭を高炭化度炭とよぶ.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報