改訂新版 世界大百科事典 「亜歴青炭」の意味・わかりやすい解説
亜歴青炭 (あれきせいたん)
sub-bituminous coal
広義の石炭を石炭化度によって4段階(無煙炭,歴青炭,亜歴青炭,褐炭)に区分するとき,石炭化度が褐炭に次いで低いものを亜歴青炭という。広義の石炭を石炭化度によって石炭(狭義)と褐炭(広義)に二大別したときは,広義の褐炭に含まれる。釧路炭田・常磐炭田の炭質は亜歴青炭の範囲に入るが,日本ではこれらも石炭と呼ばれている。亜歴青炭の語が用いられるのは,もっぱら外国炭についてである。亜歴青炭の大資源国はアメリカとロシアで,地質年代としては中生代ジュラ紀と白亜紀のものが多い。黒褐色~黒色で,自然の状態で10~50%の水分を含む。狭義の褐炭よりも発熱量は高いが,露天掘りが可能な埋蔵量の割合はアメリカで40%,ロシアで17%とみられている。しかし,生産量のなかで露天掘りが占める割合は70%を超えている。おもな用途は,発電用・一般産業用の燃料である。資源として豊富だが,賦存地域が大消費地から遠い場合が多いので,今後の開発利用にはとくに輸送問題が重要である。
執筆者:穂積 重友
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報