( ①について ) ( 1 )「和漢三才図会‐一五」に「石筆‐其石紫黒色、削成如二筆形一、嵌二管軸一、而不レ用レ墨書レ字。最易レ滅唯備二忽志一耳。広博物志所レ謂盧山有二石墨一可レ書者此類矣」とあるが、今日の鉛筆とは異なる。
( 2 )近世中期から「石筆」はオランダ舶来の筆記具をも指すようになった。それは、西洋の鉛筆あるいはその初期のものであったと思われる。近世の文献では「石筆」に「セキヒツ」「イシフデ」「ポットロード」の三通りの読み方が確認されるが、「増訂華英通語」(一八六〇)では「鉛筆(ポットロード)」とルビが付されており、「鉛筆」と「石筆」の関連性がうかがわれる。
…その形状は細長い棒状の黒鉛(メキシコ産)を木鞘にさしこんだ,全長114mmのものである。次いで渡来したのは幕末で,当時は石筆と呼ばれた。石筆はオランダ語potloot(陶工の鉛の意)の訳語で,もとはスペイン産黒鉛の商品名Potlothであった。…
※「石筆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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