石英岩(読み)せきえいがん(その他表記)silexite

岩石学辞典 「石英岩」の解説

石英岩

純粋か純粋に近い珪酸のみからなる火成岩で,脈岩や濃集した塊,同源捕獲岩として産出し,火成ないし熱水性(aquo-igneous)など後マグマ期の成因で,5%程度以下の少量のカリ長石白雲母,などが含まれることがある[Miller : 1919, 1919,渡辺編 : 1935].石英脈とはペグマタイトと伴う点や,櫛状(Comb)組織を持たない点などで区別される.しかしこの語は次のようにも使用される[Tomkeieff : 1983].(1) 炭質物のために特に黒いチャート(chert)や,炭酸塩層の中のチャートをフランスではsilexiteという[Miller : 1919, Cayeux : 1929, Pettijohn : 1975].しかし現在は使用されない.(2) マグマ期末期の石英岩で,粒状で縫合(sutured)組織をもち,脈または岩脈として産出する岩石.5%程度までの少量のカリ長石,白雲母,セリサイト,カオリンが含まれる.この岩石は脈石英とは異なり,ペグマタイトに伴われ,櫛(comb)構造が欠けていることで区別される[Holmes : 1919, Johannsen : 1922].メソ石英岩(mesosilexite)は石英岩(slexite)と同じ鉱物で構成されるが,暗色鉱物が5~50%含まれているもので,例えばcassiterite-mesosilexiteが知られている[Holmes : 1919].暗色鉱物が電気石の場合には岩石はmeso-tourmaliteと呼ばれる.pyrite-mesosilexiteはpyrotosaliteという.

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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