石英粗面岩(読み)せきえいそめんがん

岩石学辞典の解説

石英粗面岩

シチリア島北部のリパリ(Lipari)諸島に産する石は古くから熱すると膨張して浮石のようになることが記述されていた[Theophrastus : 320B.C.].黒い滑らかで緻密な岩石が加熱によって色も密度も変化する.これはおそらく熱膨張性松脂岩であろう.ロスは1861年この岩石に石英粗面岩(liparite)と命名したが[Roth : 1961],リヒトホーフェンが1860年に命名した流紋岩(rhyolite)と同じものであり[Richthofen : 1860],流紋岩の方が命名した年代が早く一般的に受け入れられている.日本語の石英粗面岩は1886年に中島謙造が付けたようである[歌代ほか : 1978].しかし石英粗面岩を訳すとquartz-trachyteとなり,これはlipariteとは意味が異なる別の岩石であって,lipariteを石英粗面岩とする訳語は不適当である.しかし現在の岩石の分類の中にはrhyoliteとlipariteを区別して扱う場合がある[Geotimes : 1972].

石英粗面岩

最初は石英安山岩と同義で,酸性の粗面岩とされた[Stache : 1863].後にツィルケルは酸性の粗面岩とし[Zirkel : 1866],花崗岩に対応する噴出岩としたが,これらは流紋岩と呼ばれるようになりこの岩石名は廃棄された[Tomkeieff : 1983].この岩石名を直接日本語に訳すと石英─粗面岩となる.従来からの石英粗面岩はlipariteの訳であるが,現在ではどちらの石英粗面岩も日本語の岩石名としては使用しない.

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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