最新 地学事典 「硫酸還元菌」の解説
りゅうさんかんげんきん
硫酸還元菌
sulfate-reducing bacteria
有機物またはHの存在下で,硫酸をH2Sに還元し,その反応エネルギーで生育する嫌気性細菌。無機栄養でHを還元して炭酸同化を行うこともある。有機物としては乳酸・ギ酸など限定されたものしか利用しない。硫酸の還元は亜硫酸,チオン酸を経て行われる。その他,亜硫酸から直接H2Sへの還元も起こるし,多チオン酸・Sなども利用される。この酵素系は酸化還元電位の低い中間受容体を必要とし,細胞内には固有のチトクロームがあり,また実験的にはメチルビオローゲン色素が用いられる。硫酸還元菌には胞子を形成するDesulfotomaculumと胞子を形成しないDesulfovibrioの2属がある。自然条件下で硫酸塩があるとH2Sを多量に生成して,鉄材,ベトンの腐食の原因となる。石油油井などにも見いだされ石油の二次回収,石油の脱硫などに関与すると考えられている。地球の生物圏におけるSの循環に重要な位置を占めている。
執筆者:都留 信也
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

