化学辞典 第2版 「硫酸還元菌」の解説
硫酸還元菌
リュウサンカンゲンキン
sulfate reducing bacteria
硫酸塩を硫化物イオンに還元する過程でエネルギーを生産し,生育する細菌.窒素固定能を有するものもある.水田,沼の土壌中に存在し,菌内のある色素の存在の有無でDesulfovibrio属とDesulfotomaculum属に分けられる.菌の大きさは1.6×3.3×(0.4~0.6)μm で,1本のべん毛をもつものもある.ニトロゲナーゼ活性を呈し,還元反応を示す.生成した硫化水素は鉄イオンと反応して黒色のFeSを形成する.土壌中の有効な硫酸塩が減少し,農業上影響が大きく,また,硫化水素を発生して湿土中の鉄管の腐食の原因になる.[別用語参照]硫黄細菌
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報