碇ヶ関通(読み)いかりがせきどおり

日本歴史地名大系 「碇ヶ関通」の解説

碇ヶ関通
いかりがせきどおり

羽州街道の一部で、弘前から堀越ほりこし村・石川いしかわ(現弘前市)を経由、大鰐おおわに村・長峰ながみね(現大鰐町)碇ヶ関村(現碇ヶ関村)を通り矢立やたて峠に至る。「奥富士物語」に「貞享二年八月末より堀越街道御留、千年山新道附替る」とあり、小栗山こぐりやま(現弘前市)経由で石川村へ出るように変更。約二〇・三キロ。碇ヶ関街道ともいう。

矢立峠の開通は中世前期と思われ、寛永一〇年(一六三三)六月一五日「御巡見使(中略)上下二百人余、鰺ケ沢より碇ケ関迄で、夫より、弘前へ御帰り」と記され(津軽歴代記類)、碇ヶ関通として整備される前、すでに弘前までの道はあったと思われる。

弘前から秋田領に至る道は承応二年(一六五三)津軽領道程帳(市立弘前図書館蔵)によれば、弘前から十腰内とこしない(現弘前市)鰺ヶ沢あじがさわ(現西津軽郡鰺ヶ沢町)深浦ふかうら(現西津軽郡深浦町)大間越おおまごし(現西津軽郡岩崎村)を通る道と、弘前から碇ヶ関への二つがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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