碇ヶ関(読み)いかりがせき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「碇ヶ関」の意味・わかりやすい解説

碇ヶ関
いかりがせき

青森県南部,平川市南部の旧村域。青森県と秋田県境の矢立峠山麓にある。 1889年古懸村,久吉村合体。 2006年平賀町,尾上町と合体して平川市となった。かつて弘前藩関所が置かれた。周囲は山地で,その中を岩木川の支流平川が北流。矢立峠付近は秋田杉の天然林が美しい。山地の大部分国有林。平川流域には弱食塩泉の碇ヶ関温泉が湧出。湯量が豊富で,リハビリテーション施設などがある。ほかに湯ノ沢温泉があり,大鰐町大鰐温泉とともに大鰐碇ヶ関温泉郷県立自然公園に属する。三笠山には葛西善蔵文学碑がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「碇ヶ関」の意味・わかりやすい解説

碇ヶ関
いかりがせき

青森県中南部、南津軽郡の秋田県境にあった旧村名(碇ヶ関村(むら))。現在は平川(ひらかわ)市の南部を占める地域。2006年(平成18)、南津軽郡尾上(おのえ)町、平賀(ひらか)町と合併して市制施行、平川市となった。JR奥羽本線、東北自動車道、国道7号が通じる。旧村名は弘前藩政時代の関所名による。南部の矢立峠(やたてとうげ)を経て秋田へ通じる街道に沿い、1685年(貞享2)弘前藩は秋田藩に対する口留番所(くちどめばんしょ)としてここに関所を置いた。山がちで、主産業は木材産出植林リンゴの生産も行う。地内に碇ヶ関温泉がある。

横山 弘]

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改訂新版 世界大百科事典 「碇ヶ関」の意味・わかりやすい解説

碇ヶ関 (いかりがせき)

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世界大百科事典(旧版)内の碇ヶ関の言及

【碇ヶ関[村]】より

…岩木川支流の平川上流の山地を占め,秋田県に接する。中心の碇ヶ関は天文年間(1532‐55)に記された《津軽郡中名字》には〈瞋ノ関(いかりのせき)〉とあり,近世に参勤交代の通路として羽州街道が通じてからは津軽藩主の〈御仮屋(おかりや)〉が設けられ,大間越(おおまごし),野内(のない)とともに津軽三関の一つに数えられる番所が置かれた。村域の9割近くを山林が占め,その大部分は国有林からなり,農業は若干の米とリンゴを産するにすぎない。…

※「碇ヶ関」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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