ウルボスピネル(読み)うるぼすぴねる(その他表記)ulvöspinel

最新 地学事典 「ウルボスピネル」の解説

ウルボスピネル

ulvöspinel

化学組成鉱物。逆スピネル構造,立方晶系,空間群,格子定数a0.853nm。硬度5.5〜6,比重4.78。磁鉄鉱と2Fe3⇌Fe2+Ti4置換によってFe3(Fe2Fe3)O4中にTiが入る。磁鉄鉱中に離溶葉片として産出。純粋なFe2TiO4は天然には未発見,人工的にはつくられている。ウルボスピネル分子51.8%含むものが北スウェーデンのAngermanland, Ulvönから発見されている。チタン磁鉄鉱鉱石・苦鉄質岩中などに産出する。スウェーデンの地名にちなんで命名

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウルボスピネル」の意味・わかりやすい解説

ウルボスピネル
うるぼすぴねる
ulvöspinel

第二鉄とチタンの複酸化物で尖晶石(せんしょうせき)(スピネル)族の一員を構成する。形態は磁鉄鉱あるいはチタン鉄鉱中の顕微鏡的な離溶体として産し、まれに正八面体結晶を基調とした骸晶(がいしょう)を形成する。骸晶とは、骸骨の骨のように特定の方向を向いて間隔をあけて規則的に配列された微細結晶の集団が、全体として一つの結晶を暗示する立体的形態を構成するものである。正マグマ性鉄鉱床あるいはチタン鉱床で磁鉄鉱中の離溶物質として産し、比較的FeOやTiO2に富む玄武岩中にも産する。月面玄武岩の多くはこれを含む。キンバレー岩の少量成分をなすこともある。いずれの場合も著しい量の磁鉄鉱分子を含み、端成分に近いものはあまり知られていない。日本では青森県上北郡七戸(しちのへ)町天間林(てんまばやし)鉱山(閉山)の砂鉄鉱床から産する強磁性物質の中に本鉱の存在が確かめられている。

 共存鉱物は自然鉄、トロイリ鉱石墨(せきぼく)、チタン鉄鉱、磁硫鉄鉱黄銅鉱、苦土橄欖(かんらん)石‐鉄橄欖石斜方輝石、斜長石、フッ素燐灰(りんかい)石など。同定は黒色、金属光沢、強磁性で磁鉄鉱と区別がつかない。命名は最初に本鉱が発見されたスウェーデンのウルボUlvö島とスピネルとの合成語。

[加藤 昭]


ウルボスピネル(データノート)
うるぼすぴねるでーたのーと

ウルボスピネル
 英名    ulvöspinel
 化学式   Fe2+2TiO4が合成実験的に確定しているが,天然でこれに一致するものは未記載。Tiが不足,Fe2+などが過剰傾向
 少量成分  Mg,Ca,Mn,V,Al,Fe3+,Si
 結晶系   等軸
 硬度    ~6(ビッカース硬度から逆算)
 比重    4.78
 色     黒
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)
 その他   強磁性

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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