磯浜村(読み)いそはまむら

日本歴史地名大系 「磯浜村」の解説

磯浜村
いそはまむら

[現在地名]大洗町磯浜町

北境を那珂川が東流し、南は大貫おおぬき村。西境涸沼ひぬま川が北東流して那珂川に合流する。

文徳実録」の斉衡三年(八五六)一二月二九日の条に「鹿島郡大洗磯の前に神が有り、新に降る」とみえる大洗磯前おおあらいいそざき明神の地で、「和名抄」にみえる鹿島郡宮田みやた郷にあたるといわれ、中世の弘安大田文には「(北条)宮田郷 五十六丁九段少」とみえる。文禄五年(一五九六)の御蔵江納帳(秋田県立図書館蔵)には「宮田」とあり、佐竹義宣の蔵入地で、預りが奉行人の人見主膳。村高九一二石余、うち二七二石余が荒で、定物成は八四貫余とある。「日乗上人日記」の元禄六年(一六九三)に「頭下足上して海に入ありさま此世より地獄におつるていをあらはせり」「男女のわかちも見えぬほどにて、かみはそらさまにちゞみあがり、みはうるしにてぬりたるやうなり、目はあかくまことに人のかたちとも見えず」とあるほど岩礁(磯)における潜水漁業が盛んであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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