H.クーンツの分類による経営学の諸学派の一つ。彼は"Toward a Unified Theory of Management" (1964) で,現代の経営理論を6学派に分類したが,この学派の特徴が経営管理を社会的システムと考え,主として社会学的な方法でそのシステムの解明をしようとする点から社会システム学派と名づけた。 C.I.バーナードに始るとされ,彼は経営管理にあっては,物的,生物的,社会的な素材,要素,諸力の絶えず変動する環境のなかで,目的達成のための協働体系がどのように維持されるかを問題にすべきであると強調し,組織を「意識的に調整された人間の活動や諸力のシステム」と定義した。その後この考え方は H.A.サイモン,J.G.マーチらによってさらに発展させられ,彼らは経営組織を意思決定のシステムとみなし,そのなかで人間は「限られた合理性」のもとで管理人として経営管理にあたるとしている。