祐福寺村(読み)ゆうふくじむら

日本歴史地名大系 「祐福寺村」の解説

祐福寺村
ゆうふくじむら

[現在地名]東郷町春木はるき春木台はるきだい

北は傍示本ほうじもと村、南は部田へた村に接する。村名は村内にある祐福寺に由来するが、「延喜式」神名帳の愛知郡に「伊副神社」、尾張国神名帳に「伊副天神」と記す。「本国神名帳集説」に「仙覚法師が万葉集抄に引たる尾張風土記に伊副村とあるは此村の事なるべし、村名を寺号とせしが、其後、寺号を村名に呼ぶ例諸国に多し」とあって、初めの伊副いふくが祐福に転訛したとも考えられる。明応五年(一四九六)足利義澄御教書(祐福寺文書)には「傍(示)本祐福寺」、元和六年(一六二〇)の徳川義利(義直)黒印状には「部田村之内四十石祐福寺領云々」、「尾張名所図会」にも「部田村祐福寺」などとあり、「尾張志」には「祐福寺再建(中略)の頃は祐福寺村はいまだなかりしかば傍尓本村の祐福寺といへり」とあって、当村はその後、祐福寺領を中心として傍示本・部田両村の間に生じたものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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