吉川英治の長編少年小説。1925年(大正14)5月~28年(昭和3)12月『少年倶楽部(くらぶ)』連載。武田家の再興を願う勝頼(かつより)の遺児・伊那丸(いなまる)と、それを助ける侠党七士――小幡民部(こばたみんぶ)、加賀見忍剣(かがみにんけん)、木隠竜太郎(こがくれりゅうたろう)、咲耶子(さくやこ)、巽小文治(たつみこぶんじ)、山県蔦之助(やまがたつたのすけ)、鞍馬(くらま)の竹童(ちくどう)の活躍する伝奇ロマン。鼻かけ卜斎(ぼくさい)、泣き虫蛾次郎(がじろう)など印象に残る登場人物も多く、山口将吉郎の挿絵とともに人気をよんだ。大人ものの世界で旭日(きょくじつ)の勢いを示していた作者の少年小説であり、構想力の豊かさを物語る。
[尾崎秀樹]
『『神州天馬侠』全3冊(講談社・吉川英治文庫)』
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
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