神経冠(読み)しんけいかん(英語表記)neural crest

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

神経冠
しんけいかん

脊椎(せきつい)動物の発生において、神経管が形成されるときに最後に外胚葉(がいはいよう)性表皮と分離する外胚葉性細胞集団で、胚の横断面では神経管の上に冠のようにみえるのでこの名がある。神経堤(てい)ともよばれる。ここに含まれる細胞は側方または腹方に遊走して、多様な組織、細胞に分化する。多くは間充織様の組織を経由または形成するので、これらの細胞を外胚葉性中胚葉細胞と称することもある。神経冠細胞の移動と分化は実験発生学の重要な問題の一つとなっている。[八杉貞雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の神経冠の言及

【神経節】より

…また交感神経幹から末梢に,あるいは臓器の壁にある自律神経系の神経節の細胞は,はじめ節前繊維との連絡のため脊髄の近くにあったが,軸索が末梢器官からの情報を受けて反射を起こすようになって(軸索反射),細胞が末梢に移動したと考えられる(カッパーズC.U.A.Kappersの神経走成説)。神経節は神経管の形成の過程で分化するが,神経冠neural crest(神経堤ともいう)の細胞が末梢の各所に神経節をつくる経過は,最近ニワトリの神経冠にニワトリと区別できるウズラの細胞を移植して追跡する方法で明らかにされた。自律神経系神経系【正井 秀夫】。…

※「神経冠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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