神経節(読み)しんけいせつ

精選版 日本国語大辞典 「神経節」の意味・読み・例文・類語

しんけい‐せつ【神経節】

〘名〙 神経細胞神経繊維とが集まってこぶ状となったもの。脊椎動物では中枢神経系自律神経系で著しく発達し、興奮の伝わり方に変化を与える。
※内科撰要(1792)五「神経液の凝帯して瀦留すること殊に神経節に在り」

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デジタル大辞泉 「神経節」の意味・読み・例文・類語

しんけい‐せつ【神経節】

末梢神経途中で、神経細胞神経線維とが集まってこぶ状に太くなった部分興奮の伝わり方を調節する。ガングリオン

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百科事典マイペディア 「神経節」の意味・わかりやすい解説

神経節【しんけいせつ】

末梢神経の途中にある,神経細胞および神経繊維が集まって結節状にふくらんだもの。中枢神経系における神経細胞の集合部は(神経)核と呼んで区別される。大別して感覚神経節自律神経節の2種がある。前者には脊髄神経節脊髄神経)とこれに相当する脳神経の神経節(半月神経節,らせん神経節など)があり,後者には交感神経幹の神経節とその他の自律神経系の神経節がある。なお,無脊椎動物の頭神経節は脳とも呼ばれる。

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世界大百科事典 第2版 「神経節」の意味・わかりやすい解説

しんけいせつ【神経節 ganglion】

末梢神経系における神経細胞体の集合をいう。これに対し,中枢神経系(脳と脊髄)内における神経細胞体の集合を(神経)核nucleus(細胞の〈核〉と文字は同じであるが概念はまったく違う点に注意)という。しかし,中枢神経内の神経細胞体の集合に対しても慣用的に〈節〉が用いられている場合がある(たとえば基底神経節basal ganglia)。本来意味での神経節,すなわち末梢神経系における神経細胞体の集合には,集合している神経細胞の性質の違いによって,感覚神経節sensory ganglionと自律神経節autonomic ganglionが区別される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神経節」の意味・わかりやすい解説

神経節
しんけいせつ
ganglion

末梢神経の途中で局部的に神経細胞が集合して太くなり,結節状をしている部分をいう。中枢神経では神経核と呼ばれる。自律神経系の神経節ではここでニューロンが替わるが,感覚性の神経節の場合は,刺激がニューロンを替えることなく中枢神経に向う。

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世界大百科事典内の神経節の言及

【神経系】より

… プラナリアのような扁形動物では,はしご型で左右の索は互いに節状に横に走る繊維で連絡され,また索から末梢へ細い繊維が出て体の表面下に,あるいは消化管の壁に神経叢をつくる。環形動物たとえばミミズでは,腹側の神経索に沿って,各節ごとに細胞の集団つまり神経節が形成される。体の前方で咽頭の上にある神経節すなわち脳はよく発達し,神経系の集中化が進む。…

【脳】より

…脊椎動物の神経系において神経作用の支配的な中心をなしている部位をいい,無脊椎動物では頭部背側にある食道上神経節を脳または頭神経節という。脊椎動物では,脳(頭蓋腔のなかにある)は脊髄(脊柱管のなかにある)とともに中枢神経系を形造っているので,脳は中枢神経系の部分であるわけであるが,〈脳〉という言葉は,中枢神経系を代表するものとして〈中枢神経系〉の意味で用いられることもある。…

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