原索動物および脊椎(せきつい)動物の胚(はい)の外胚葉から生ずる管状構造で、将来、脳および脊髄に分化する。原口あるいはヘンゼン結節を経て陥入した頭部中胚葉と脊索の誘導により、外胚葉に神経板とよばれる肥厚部分がつくられ、脊索の伸長による力学的な作用のもとに神経板の両端が巻き上がり、管構造ができあがる。この管の太い前端部は脳となり、後方の細い部分は脊髄となる。このとき神経管となりきれなかった神経板両端付近の細胞は神経冠細胞として全身に移動し、神経節や色素細胞などになる。神経管最前端が閉じるのは、ほかの部分より遅れることが多く、ナメクジウオでは終生閉じることがない。神経管後端が原口あるいはヘンゼン小孔を包み込む場合、神経管後端が原腸と連絡することがある。
[竹内重夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…原口の上唇部は陥入すると脊索や中胚葉を形成するほか,隣接する外胚葉を神経板neural plateに誘導する。神経板は神経管neural tubeを経て脳,感覚器官,脊髄などを形成する。一方,原口上唇部を除去すると胚は正常に発生しないし,また,それを移植された他の初期囊胚には第2次の神経管が付加的に形成される。…
…したがって,胚葉の各部域から形成されるさまざまな組織や器官の形態形成は,二次元的な胚葉部分が管や囊胞などの三次元構造へ変化する過程と見ることができる。たとえば,神経板neural plateの両側端が背方にせり上がり正中で癒合することで神経管neural tubeは形成される。次に神経管壁が随所でくびれたり外方に突出することで,脳胞や感覚器官の原基が形成される。…
…管状脳は系統発生的には原索動物の幼生において初めて出現するといわれる。個体発生においては中枢神経系は神経管neural tubeに始まる。ヒトで神経管が完成するのは胎生4週の終りである。…
※「神経管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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