神経性下痢(読み)しんけいせいげり(その他表記)neurogenic diarrhea

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神経性下痢」の意味・わかりやすい解説

神経性下痢
しんけいせいげり
neurogenic diarrhea

腸に器質的病変がなくて起る下痢。精神的緊張心身過労,不安,環境変化などによって,急速に下痢が起る例が多い。便はかゆ状ないし泥状で,ときに粘液が混り,種々の神経症状を伴う。一般の下痢の際にみられる発熱腹痛などはない。神経性下痢は今日では過敏性腸症候群の症状の一つと考えられている。

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世界大百科事典(旧版)内の神経性下痢の言及

【下痢】より

…そのほか,虫垂炎,傍直腸膿瘍に起因する下痢,腸間膜動脈血栓症,虚血性大腸炎,腸重積症などによる下痢もある。またストレスなどによる機能的障害にもとづく寒冷性下痢,神経性下痢があるが,多くは慢性的にたびたび繰り返されることが多い。
[慢性下痢]
 潰瘍性大腸炎クローン病,結核性腸炎,慢性腸感染症(細菌性赤痢,ウイルス性腸炎,アメーバ赤痢,鉤虫症,日本住血吸虫症,条虫症など),腹部手術後遺症(胃切除,腹部迷走神経切断術,腸切除,消化管吻合(ふんごう)術,腸癒着),腫瘍(大腸癌,大腸ポリポーシス),放射線大腸炎,吸収不良症候群,栄養欠乏状態(ビタミン欠乏症,ペラグラ),結腸性子宮内膜症,膵臓疾患(慢性膵炎,非β細胞性膵島腫瘍),内分泌・代謝異常(アジソン病,甲状腺機能亢進症,尿毒症,糖尿病)などがあげられる。…

※「神経性下痢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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