神西庄(読み)じんざいのしよう

日本歴史地名大系 「神西庄」の解説

神西庄
じんざいのしよう

平安末期からみえる庄園名。園山そのやま庄ともいい、本庄新庄とがある。現在の出雲市東神西ひがしじんざい町・西神西町および簸川ひかわ湖陵こりよう町・多伎たき町を含む広大な地域だが、庄域は時期により異なる。吉田経房の日記「吉記」寿永元年(一一八二)八月四日条に「去月廿日前馬允以親下遺雲州園山庄」とみえる。「吾妻鏡」文治二年(一一八六)七月一八日条に「出雲国園山庄前司師兼(中略)望申出雲国園山庄下司職之間、可被還補件本職事、今日賜御消息」とみえ、師兼より都督(経房)に付すように指示している。建長二年(一二五〇)六月二日の吉田資経処分状写(京都大学文学部所蔵文書)には「都護分」として「出雲国園山庄」とあり、平安末期から鎌倉前期までは藤原氏の流れを汲む吉田家の庄園であった。おそらく平安末期までに現在の神西東町・神西西町を拠点とする有力者が周辺部の農民を使って開発し、吉田家に寄進したのであろう。延応元年(一二三九)八月一八日の関東御教書(酒井宇吉氏所蔵文書)によれば、「出雲国園山新庄地頭之高通申境相論事、本新庄成楽寺三箇所各別也」とみえ、園山庄は一三世紀前半には本庄と新庄に分れていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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