禍福は糾える縄の如し(読み)かふくはあざなえるなわのごとし

精選版 日本国語大辞典 「禍福は糾える縄の如し」の意味・読み・例文・類語

かふく【禍福】 は 糾(あざな)える縄(なわ)の如(ごと)

  1. ( 「史記‐南越伝」の「因禍為福、成敗之転、譬若糾纏」から ) わざわいが福になり、福がわざわいのもとになったりして、この世の幸不幸はなわをより合わせたように表裏をなすものであるの意。
    1. [初出の実例]「定かに思ひ弁(わきまへ)ねども、禍福は糾(アザナヘ)る纏(ナワ)の如し。人の命は天に係れり」(出典読本南総里見八犬伝(1814‐42)二)

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故事成語を知る辞典 「禍福は糾える縄の如し」の解説

禍福は糾える縄のごとし

この世の幸不幸は表裏をなしていて、何が不幸のもとになり、何が幸福をもたらすかわからない、ということ。

[使用例] まこと人の世は吉凶禍福糾える縄のごときものでした[佐々木味津三*右門捕物帖|1929]

[由来] 紀元前二世紀の中国で、前漢王朝に仕えたという人物が書いた、「ふくちょうの賦」という文章一節から。「禍は福を生み出し、福の中には禍が隠れている」と述べた後、「禍と福とは、何ぞ糾えるなわに異ならん(不幸と幸福は、二本わらをより合わせて作る縄とそっくりで、互いに絡み合っている)」と嘆いています。

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ことわざを知る辞典 「禍福は糾える縄の如し」の解説

禍福は糾える縄の如し

この世の幸不幸は、縄をなう際に二本の藁束をより合わせるように交互に絡み合い、表裏をなしている。「あざなう」は縄などをなうこと。

[使用例] まこと人の世は吉凶禍福あざなえる縄のごときものでした[佐々木味津三*右門捕物帖|1929]

[解説] 「史記―南越伝」にあることばから。

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