福寿寺跡(読み)ふくじゆじあと

日本歴史地名大系 「福寿寺跡」の解説

福寿寺跡
ふくじゆじあと

[現在地名]鳩山町小用

近世、小用こよう村の観音堂別当を勤めていた本山派修験寺院で、恵日山一角院を号し、先達山本坊(現越生町)配下であった。寺伝によれば寺内観音堂の本尊である観音菩薩は行基の作といわれ、堂宇は正長元年(一四二八)に再興されたと伝える。永正一四年(一五一七)五月一四日、出雲守直朝・弾正忠尊能は山本坊に証状(写、相馬文書)を送り、入西につさい郡出戸より上の支配を「小祐福寿寺」などに返還することを証している。江戸時代の当寺にかかわる史料は当寺の修験であった榎本家に多く残される。同家の文書によると慶安二年(一六四九)には代官天羽景安の執成しにより、徳川家光から観音堂領として寺領三石五斗が寄進され、以後代々の将軍によって安堵された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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